見る能力は、視力がいいことと結びつけ、
よく見えることにこだわりを持っている方が多いと思います。
特に、スポーツ(球技)をやっている方は、
この傾向が強いと感じています。
しかし、見る能力と視力がいいことは、
イコールにはなりません。
それを証明しているのが、
「イチロー選手」です。
マリナーズ時代のイチロー選手の視力は、
両眼とも0.4…
視力を基準に見れば、イチロー選手は、
決して見る能力が高いとは言えません。
マリナーズ入団前に、
アメリカで行われた眼の検査結果では、
この眼(視力)だと、
「メジャーリーグでは、成功できない」
と言われたそうです。
そこで、オプトメトリストに
「コンタクトレンズ」をすすめられ試すも…
結果、コンタクトによって視力は向上しましたが、
それが身体感覚と合わず、結局は裸眼(0.4)で、
シーズンを挑むことになりました。
そして、シーズンを終えた結果は…
■2001年シーズン成績
記録 157試合
打率.350
242安打
8本塁打
69打点
56盗塁
■タイトル
MVP
新人王
首位打者
最多安打
最多盗塁
ゴールドグラブ
シルバースラッガー
オールスター出場
メジャーでは成功できない!
と言われたイチロー選手は、それ以降も活躍を続け…
10年連続200本安打という偉業を成し遂げました。
もちろん視力は、見る能力の一つではありますが、
それだけでは、「見ることの本質」には、
辿り着けないということですね。
視力にも、「現場視力」というものがあって、
よく見えるようにすればいいって言うことではありません。
例えば、視力が0.3の人は、
遠くを見ることは苦手ですが、近くを見ることは得意です。
しかし、その人が視力1.0に矯正されたメガネをかけて近くを見ると、
近くでのパフォーマンスが下がります。
理由は、遠くがよく見えるようになると、
近くでは眼の筋肉の仕事量が増え、”筋肉の緊張が高まる”からです。
つまり、眼の筋肉を緊張させる見方は、
身体感覚を鈍らせ、”行動”や”能力”に影響を与えるということです。
イチロー選手は、コンタクトで視力を向上させたものの、
それがかえって眼の筋肉に緊張を与え、身体感覚を鈍らせることになり、
自分には合わないと判断されたのでしょう。
最近、動体視力というトレーニングが流行っていますが、
これは、動いてるものがどれだけ良く見えているかを数値化しているだけで、
実践では役に立ちません。
いくら動体視力が優れていても、一軍のレベルでは戦えないのです。
動いているものを捉え、それを感じ、どう身体が反応するかといった、
”眼と心と身体”が一致してはじめて実践でパフォーマンスを発揮することができます。
「遠くの視力をよく見えるようにすればするほど」
「ボールをよく見ようとすればするほど」
眼の筋肉の緊張は高まり、身体が居付き、ボールへの反応が遅れます。
つまり、眼の筋肉を緊張させない見方が、
眼と心と身体を繋げる架け橋となり、
それが”見る能力を高める”近道となります。
一流選手は、そういった見方を身につけて、
鋭い身体感覚を磨いています。
ボールは眼で見るのではなく、
身体の眼(身体反射)で反応しないといけません。
つまり、ボールを眼で追い、頭で考えて打っているようでは、
プロのような0.4秒というスピードの世界では
生き抜いていくことはできないということです。
大坂江坂にある視覚情報センターでは、
実践で活かせるスポーツビジョンの指導を行っています。
代表である「田村知則先生」は、イチロー選手をはじめ、
数々のトップアスリートの眼の指導を経験している
スポーツビジョンの先駆者であります。
スポーツの世界で上を目指すなら、
田村知則先生が教える”本物のスポーツビジョン”を推進します。